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森山 伸一; 篠崎 信一
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 44(8), p.6224 - 6229, 2005/08
被引用回数:1 パーセンタイル:4.7(Physics, Applied)実時間波形整形の手法を用い、分散処理の概念に基づいて、JT-60U高周波加熱装置の制御設備の改造を行った。改造後のシステムが、従来の集中処理システムに比べて高い性能と信頼性を発揮しているのは当然であるが、実時間波形整形機能により装置運転の役割分担を見直し、高効率で円滑な運転を実現したことは注目すべきことである。実験装置の性格上、実験運転と装置調整は平行して進められ、調整の完了は事実上ありえない。特にプラズマ対向機器でありかつ高い高周波電界の発生するアンテナのコンディショニングには、磁場やプラズマの存在する条件で、きめ細かく入射パラメータを設定することが不可欠である。改造後の典型的な役割分担では、JT-60U全体の実験パラメータを把握する実験オペレータが矩形の入射パワー波形をプログラムし、一方で高周波加熱装置、特にアンテナのその時点での状態を熟知したRFオペレータが、パワー上昇率限界など機器に固有のパラメータを入力する。これらの情報を実時間で合成した入射命令を機器側に送出するようにした。この改造では制御機器間の信号伝達を可能な限り単純化し、汎用機器を多用した。本改造で構築した単純で柔軟性のある分散処理システムは、核融合研究用高周波加熱装置の制御系のあり方を提案するものである。